工夫

 

 

3/21(水)

講談師の神田松之丞さんの独演会『松之丞三昧』を聴きに、ながめ余興場へ。

 

松之丞さんのラジオを聴いて『講談』というものに興味を持ち、

いつか生で聴いてみたいと思っていました。

そして、先月の2/12にながめ余興場で行われた『旅成金』で

初めて松之丞さんの講談に触れて感動し、

「どうしてもまた聴きたい!」と今日の独演会のチケットを買ったのでした。

 


三席のどれも面白かったけれど、やっぱり『中村仲蔵』が良かった…。

定九郎という役(あまり良い役ではない)を与えられた中村仲蔵が、

役者生命をなんとか繋ぐべく工夫をこらして役の魅力を高めていく一方で、

もう自分には役者としての才能がないのだと真っ暗な気持ちになったり…。

 

絶望的な感情でいっぱいになり、それでもグッと顔を上げ

食いしばって芝居を続けていく中村仲蔵を表現する松之丞さんがたまらなく良い。

どん底から這い上がっていく描写は、2/12に聴いた『淀五郎』の時もあったのだけど

聴きながら完全に感情移入しているので、やっぱりウルウルきてしまうのでした。

 

 

 

この中村仲蔵という話のキーワードとなるのが『工夫』という言葉でした。

与えられた役をただ単純に演じるのではなくて、

中村仲蔵は自分なりに解釈して演出を施すという工夫をしたことで

これまで誰も演じなかったような定九郎を作り上げて

結果的に役者として認められるようになったのです。

 

最近、RHYMESTERの『K.U.F.U.』という曲を良く聴いているのですが、

これも『工夫』をテーマにした曲で。(すばらしい曲)

そんな時に中村仲蔵を聴いたものだから、「なんとタイムリーなのだ!」と興奮してしまいました。

 

『K.U.F.U.』の歌詞じゃないけれど、いつの時代も工夫というものが武器になるのかぁ…と。

まずそのもののことをちゃんと考えて、今よりも良くするためのアイデアを出して試してみること。

工夫という言葉なんて今まで気にもせず使ってきたけど、

今日から自分にとってはちょっと特別な言葉になりました。

 

 

 

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写真はながめ余興場から撮った高津戸峡。

今日は出かけようと家を出た途端雪が降ってきたり、

お目当ての桐生の立ち食いそば屋が『店主体調不良のためお休み』だったり。(大丈夫かな…)

いろいろ出鼻をくじかれてしまったけれど、この景色を見たらそんなことは全部吹っ飛びました。

 

まだ肝心の松之丞さんの講談を聴いてないのに、今日は絶対良い日になると確信したのでした。